胃の痛みや重たい感じ、膨満感などの症状があり、内視鏡検査などで調べても痛みの原因が見つからないことは少なくありません。このように、「検査をすると症状の原因となるような明らかな異常がないが、慢性的な上腹部(みぞおちあたり)の不快な症状が続いている疾患」を機能性ディスペプシア(FD)と言います。FDの病態は複雑で、胃の動きの悪さや胃酸過多、胃の知覚過敏(痛みを感じやすくなっている状態)、ストレス、ヘリコバクター・ピロリ菌感染、など様々な要因が絡み合って発症すると考えられていますが、はっきりとは特定されていません。
FDが疑われた時は、まず上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行い、胃がんや胃潰瘍などの悪性腫瘍や潰瘍、炎症がないことを確認してから、内服薬による治療を行います。また、FDはストレスの関与も大きいので、生活環境の調整も治療の一環として必要になります。